
2026年6月23日(火)・24日(水)の2日間、R&D支援センター主催のWEBセミナーで、半導体プロセス・デバイス技術をテーマに講師を務めました。
テーマは、
「半導体デバイス・プロセス開発の実際」
です。
6月23日の前編では「前工程を中心に」、6月24日の後編では「後工程および産業動向を中心に」、半導体の基礎から製造技術、品質・工程管理、さらに今後の半導体技術までを体系的に解説しました。実際の講義は、シリコンの基本から始まり、ウェハ製造、半導体物理、前工程、後工程、ユーティリティ、信頼性、品質管理、環境・安全、先端技術、産業動向まで全16章で構成しています。
1日目:前工程を中心に
前編では、まず「半導体とは何か」という基本からスタートし、シリコンの性質、シリコンウェハの製造、半導体の基礎物理を取り上げました。LSI用シリコンが高純度の単結晶シリコンであることなど、後のプロセス技術を理解するための基礎から説明しています。
その上で、酸化・拡散、フォトリソグラフィ、エッチング、イオン注入、成膜、電極形成など、ウェハ上に半導体デバイスを作り込んでいく前工程へと進みました。
単に各工程を個別に覚えるのではなく、各工程がデバイス構造や電気特性、さらには歩留まりや信頼性にどのようにつながるのかを理解することを重視しています。
2日目:後工程と産業動向
後編では前工程を復習した上で、完成したウェハを半導体製品に仕上げる後工程を解説しました。
バックグラインド、ダイシング、ダイボンド、ワイヤボンド、モールド、リード加工、ファイナルテスト、マーキングという一連の流れを扱っています。
さらに、クリーンルーム、超純水、真空技術などのユーティリティから、信頼性、品質管理・工程管理、環境問題・安全衛生へと範囲を広げました。
「プロセスで何が起こっているのか」を考える
本セミナーで特に重視したのが、単なる製造工程の知識ではなく、実際の製造現場で問題をどう捉えるかという視点です。
例えば工程管理では、規格に入っているかどうかだけを見るのではなく、シート抵抗、膜厚、TEGデータ、PN接合リーク、耐圧、パーティクルなどから、プロセス内部で何が起こり、どの方向へ変化しているのかを把握することを取り上げています。
また、データだけで判断するのではなく、異常が発生したときには実際に現場へ行き、装置やウェハを確認し、日々ウェハを扱っている作業者から情報を得ることの重要性についても説明しました。
これは、駒形技術士事務所が半導体技術教育で重視している考え方の一つです。
先端半導体・実装技術についても解説
後半では、先端デバイス・プロセスだけでなく、チップレット、HBM、高密度実装などについても取り上げました。
チップレットには、歩留まり改善によるコスト低減や、CPU・GPU・AIアクセラレータ・メモリなど異なる技術を統合できる利点がある一方、チップ間接続、放熱、信頼性など新たな技術課題もあります。
今後は前工程・後工程という従来の区分だけではなく、設計・製造・実装を一体として考えることがますます重要になると考えています。
半導体技術を「点」ではなく「流れ」で理解する
半導体製造は、材料、デバイス、プロセス、製造装置、品質管理、実装など、多数の技術分野から成り立っています。
そのため、一つ一つの工程を暗記するだけではなく、
「なぜこの工程が必要なのか」
「この工程条件を変えるとデバイス特性はどう変わるのか」
「不良が発生したとき、どの工程までさかのぼって考えるべきか」
という形で、全体を関連付けて理解することが重要です。
駒形技術士事務所では、今後もこれまでの半導体デバイス・プロセス開発、量産、歩留まり改善、不良解析等の経験を活かし、半導体技術者向けの教育・研修を行ってまいります。
企業研修、技術教育、セミナー等についてもご相談ください。